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Ⅰ はじめに

第1回では、民間事業者が自治体と契約を締結する場面を想定し、契約締結に向けたプロセスを理解する上で重要な「仮契約」や「予算単年度主義」といった自治体側の財務上の制度の考え方を概説した。¶001

一方で、民間事業者としては、業務を自治体から受託し契約締結に向けた円滑な協議を実現するために、自治体と良好な関係を築きたいと考えるのは自然なことであろう。そして、良好な関係の構築は、民間事業者だけでなく自治体側としてもプラスになる側面が大きいことも多い。しかし、公務員は全体の奉仕者として、公共の利益のために職務を遂行しなければならないという厳格な規律が適用されることから、上記の思惑とこの行動原則の間で、どのように行動すべきか悩ましいケースも実務上多く見られる。¶002