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事実

X(原告)は、映画「シン・ゴジラ」(平成28年)に登場するゴジラの「第4形態」をかたどった立体的形状から成る立体商標(以下「本願商標」という)について、第9類、第16類、第25類、第28類及び第41類の商品又は役務を指定商品又は役務として、商標登録出願(以下「原出願」という)をしたところ、本願商標をその指定商品中、第28類「縫いぐるみ、アクションフィギュア、人形、その他のおもちゃ」に使用するときは、単に商品の品質・形状を普通に用いられる方法で表示するものであり、商標法(以下法令名を省略する)3条1項3号に該当するとの拒絶理由通知を受けた。そこで、Xは、①原出願につき、第28類の指定商品のうちの「縫いぐるみ、アクションフィギュア、その他のおもちゃ、人形」を削除する手続補正を行うとともに、②原出願と同一の本願商標(立体商標)につき、新たに、前記削除した商品である第28類「縫いぐるみ、アクションフィギュア、その他のおもちゃ、人形」を指定商品とする商標登録出願(以下「本願」という)をした。上記補正後の原出願は、登録査定を受けた。Xは、本願につき、拒絶査定を受けたため、拒絶査定不服審判を請求した。上記請求につき、特許庁は、請求不成立審決をなし(不服2021-11555号。以下「本件審決」という)、Xが、本件審決の取消しを求める本件訴訟を提起した。本件審決は、本願商標は3条1項3号に該当するとしたうえで、本願商標と特徴を共通にする立体的形状(使用形状)を使用した商品の販売期間は7年程度で永年とはいえないこと、玩具業界の中で使用商品の市場占有率は高いとはいえないこと、テレビにおいて、使用商品の宣伝広告がされたことはうかがえるが、立体的形状をXの自他識別標識であることを印象付けるように取り上げられたとはいえないこと、Xが実施した本件アンケートについて、調査対象者の過半数の一般需要者は、使用形状を認識していないことを理由に、同条2項(使用による識別力)の適用について認めなかった。¶001