FONT SIZE
S
M
L

事実

被告人XはAと交際していたが、Aの娘であり、Aが監護していたB(当時16歳)との性交を執拗に求めるようになった。これを受けてAが、Xとの性交に応じるようにBを説得するなどして、XがBと性交するに至った。¶001

第1審判決(松江地判令和5・9・27判時2593号87頁)は、刑法65条1項を適用して、非監護者であるXと監護者であるAについて、監護者性交等罪の共同正犯の成立を認めた。控訴審判決(広島高松江支判令和6・5・31 LEX/DB 25620060)も、「身分のない者であっても、身分のある者と共謀し、現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて、自ら18歳未満の者と性交等をした場合には、その性交等は、18歳未満の者の自由な意思決定に基づくものとはいえず、その性的自由ないし性的自己決定権を侵害する」などと判示して原判決を是認し、Xの控訴を棄却した。これに対して、Xが上告した。¶002