FONT SIZE
S
M
L

事実

Y1(被告)は、資産運用のサポート業務及びコンサルティング業務等を業とする株式会社である。FX自動売買ツールの開発等を業とする株式会社であるY4(被告)は、平成28年9月頃から平成29年9月頃までの間、外国為替証拠金取引(以下「FX取引」)に係るソフトウェア(以下「本件商品」)の開発者として、Y1社に対し、本件商品をOEM販売していた。¶001

本件商品は、顧客が証券会社に開設した口座(以下「証券口座」)と連動し、その金銭を用いて自動でFX取引を行うプログラムのソフトウェアであった。取引は次のような流れで行われた。(1)顧客は、本件商品を購入した後、ニュージーランド法人のA社(訴外)に証券口座を開設し、本件商品と同口座を連動させる。(2)顧客は、オンラインの送金手段であるビットウォレットを用いて、当該口座に運用資金(証拠金)を入金する。なお、入金時にボーナスとして一定額が付与されるが、ボーナスを維持するためには最低90日は当該口座に資金を残しておき、必要取引数量を達成することが必要である。(3)証拠金の入金後、本件商品は証券口座と連動して、FX取引のプラットフォームであるMT4(メタトレーダー4)を用いて自動でFX取引を行う。本件商品による取引条件は、①レバレッジは200倍、②通貨ペアはドル/円及びユーロ/ドル、③取引単位は0.28~0.4ロット(1ロットは1000通貨単位)である。(4)顧客はMT4をスマートフォン等にインストールするなどし、そのアカウントを通じて証券口座での運用状況を確認する。顧客は、通貨ペアを選択・変更したり、取引数量を変更したり、指値注文をしたりすることはできず、MT4で残高を確認して追加で入金するか、A社に出金申請をして出金の手続をすることができるにすぎない。なお、Xら(原告)の証券口座で行われるFX取引の手数料は、A社が取引のロット数に応じて証券口座から控除し、A社が当該手数料の約3分の1をY1社及びY4社に交付し、うち7割がY1社、3割がY4社に配分されていた。¶002