FONT SIZE
S
M
L
家庭裁判所は、大正12年に行政機関として発足した少年審判所と昭和23年に発足した家事審判所を統合して、昭和24年に発足した。¶001
現在のその主な所管事項(裁31条の3第1項)は、家事審判及び家事調停(同項1号)、人事訴訟(同項2号)並びに少年保護事件の審判(同項3号)である。¶002
当初の家庭裁判所は、家庭の問題と少年の問題の密接な関係から、家事審判・家事調停と少年保護事件を所管するものとして出発したが、やはり家庭に関する事件である離婚訴訟等の人事訴訟は地方裁判所の管轄に属しており(平成15年改正前の裁24条1号)、その当否については議論があったところ、司法制度改革期の平成15年に、人事訴訟法の制定とともに、家庭裁判所に移管された。これによって、家庭裁判所は、市民にとって最も身近で生じ得る紛争・トラブルである離婚・遺産分割等についての包括的な受皿となったわけである(ただし、遺産の範囲や遺留分侵害をめぐる訴訟は、引き続き地方裁判所の管轄に属しており、家庭裁判所が管轄する手続との関係の問題は残っている)。¶003