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Ⅰ はじめに

❶最高裁令和6年7月3日大法廷判決(裁判所Web〔令和5年(受)第1319号〕)では、優生保護法(昭和23年法律第156号。平成8年法律第105号による改正後の題名は母体保護法。以下、同改正の前後を通じて「旧優生保護法」という)の規定に基づいて、生殖を不能にする手術を受けたと主張する者が、旧優生保護法の上記規定が憲法違反であると主張して、国に対して国家賠償法に基づく損害賠償を請求し、当該請求権が平成29年法律第44号による改正前の民法(以下、「改正前民法」という)724条後段の期間の経過によって消滅したか否かが争われた。¶001