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Ⅰ カスタマーハラスメントの定義

カスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」)については、男女雇用機会均等法11条1項で「職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害される」と定義されるセクシュアルハラスメント(以下、「セクハラ」)や、労働施策総合推進法30条の2第1項で「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と定義されるパワーハラスメント(以下、「パワハラ」)と異なり、現時点では法律上の定義が存在しないが1)、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」2)(以下、「カスハラマニュアル」)7頁では、「顧客等からのクレーム、言動のうち、当該クレーム、言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段、態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段、態様により労働者の就業環境が害されるものがカスタマーハラスメントである」とされ、国会答弁も、これを引用する3)¶001