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Ⅰ はじめに
2024年10月、東京都カスタマー・ハラスメント防止条例(令和6年東京都条例第140号。以下、「都条例」とする)が成立し、カスタマーハラスメント(以下、「カスハラ」とする)対策が社会的な注目を浴びている。そこで、本稿は、条例を通じた地方公共団体のカスハラ対策を論じる1)。具体的には、法令や指針におけるカスハラの定義を確認し、カスハラ対策の対象となる施設やサービスの種類が多岐にわたること(Ⅱ)、カスハラ対策の手法として条例を用いた場合における民事法への影響や(Ⅲ)、給付行政(特に公の施設)に関する他の行政法規との調整(Ⅳ)、そして、罰則を中心に、条例の実効性確保についても検討する(Ⅴ)。¶001