FONT SIZE
S
M
L
事実の概要
本件は、少年が、約7か月間に、7回にわたり、竹藪、雑木林、公園等において、小中学生の女子に対し、ナイフを突きつけて脅迫し、または暴行を加え、裸にして陰部を舐めたり、自己の陰茎を咥えさせたりした、強制わいせつ5件、同未遂2件の事案である。¶001
原審の東京家裁八王子支部は、被害者らが心理的な外傷体験としては強姦されたに等しいこと、少年は凶器を準備するなど計画的かつ執拗に犯行を繰り返していること、性的衝動を刺激する文化的背景がある中で、多くの青少年が踏みとどまっているにもかかわらず、あえて本件実行行為に及んだ点で、少年に性格上の問題が認められること、少年に被害少女をかわいそうに思う気持ちはないなど情緒的な発達の遅れを重視せざるを得ないこと、原因は異常なほどに密着した母子関係にあることなどを理由として、母子を分離し、集団生活や心理療法などによって、少年の感情面の成熟を図ることが相当であるとして、少年を中等少年院に送致した。処遇勧告は付されていない。¶002