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事実

本件は、いわゆるキャッシュカードすり替え型窃盗未遂の事案であり、被告人は、すり替え窃盗の実行役を担っていたものである。第1審判決が、本件で窃盗の実行の着手があったとは認められないとして、無罪を言い渡したのに対し、控訴審判決は、第1審判決に事実誤認はないが、窃盗未遂罪の成立を否定した点において法令適用の誤りがあるとして、第1審判決を破棄し、有罪の自判をしたことから、被告人が上告した。本決定の判示事項は、控訴審が、自ら事実の取調べを行うことなく、有罪の自判をしたことの適否に関するものである。¶001