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* 筆者の肩書きは法律成立時点による。¶001

Ⅰ はじめに

令和6年5月17日に公布された「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第25号。以下「本法律」という)は、近年、インターネット上のSNS等の特定電気通信役務を利用して行われる他人の権利を侵害する情報の流通による被害が深刻化する一方、情報発信のための公共的な基盤としての特定電気通信役務の機能が重要性を増していることから、このような情報流通プラットフォームにおける権利侵害等に対処するため、大規模なSNS事業者等を「大規模特定電気通信役務提供者」として指定し、①削除対応の迅速化及び②運用状況の透明化を図るための義務を課す等の措置を講ずるものである。あわせて、法律の題名を「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(略称:プロバイダ責任制限法)から「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律」(略称:情報流通プラットフォーム対処法〔情プラ法〕)に改めることとしている。¶002