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Ⅰ 確約手続の概要と現在までの実績

1 はじめに

確約手続は、独占禁止法違反の被疑行為について公正取引委員会(以下「公取委」という)と事業者との合意により自主的に解決する制度であり、平成28年改正独占禁止法により導入され、2018年12月30日に施行された。公取委にとって、確約手続に基づく確約計画の認定は、排除措置命令や課徴金納付命令と並ぶ正式な行政処分としての位置付けでありつつも、競争上の問題の早期是正や独占禁止法の効率的かつ効果的な執行に資する手段として期待されてきた。本稿では確約手続の概要に触れた上で、施行後5年半余りが経過した現状における確約手続の実績と課題につき、他の事件処理手法とも比較しつつ、プラットフォーム・巨大IT企業に対する独占禁止法のエンフォースメントの視点から考察を加えたい。¶001