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Ⅰ はじめに

日本においては企業の生き残りのためには大企業のみならず中小企業において海外進出が常態化しているものの、海外進出後に予期せぬリスクに直面し、場合によっては当該国での業務継続に支障をきたし、最悪の場合は撤退を余儀なくされることもある。¶001

本連載では、これまで海外進出する企業の法務面における留意事項について解説を行ってきたが、企業が海外進出前に予め具体的なリスクを想定することができれば、事前に対策を講じてリスクを回避し、又は発生する可能性を低減することができる。また、発生しうるリスクを予め認識しておくことによりそもそも当該国へ進出することの是非、更にはどのようなリスクが現実化すると会社として撤退するべきなのか、などの事業判断のメルクマールも設定しやすくなると考えられる。¶002