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Ⅰ はじめに

我が国の企業が海外進出する場合、純粋な国内案件では通常問題とならない様々な税務上の論点に対する配慮が必要となる。海外進出といっても進出形態は様々であり、進出形態ごとに考慮すべき税制も異なってくる。さらには、進出先国における税制や税務当局の執行状況は千差万別であるため、似たような進出形態であっても、税務リスクは国別に異なってくる点にも留意する必要がある。¶001

本稿では、紙幅の関係で関連する論点を網羅的に取り上げることはできないため、様々な国際税務案件に関与してきた弁護士の目線から、近時の裁判例等も踏まえつつ、我が国の企業が海外進出する際に直面する基本的な税務リスクに絞って概説する。¶002