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Ⅰ はじめに

近年、新たな決済手段や支払手段として、デジタル・キャッシュへの関心が高まっている。デジタル・キャッシュの一例として、民間では銀行以外の資金移動業者を通じた電子マネーによる送金や利用が行われているほか1)、広く一般的に普及しているとまではいえないものの、暗号資産の送信や利用も行われている2)。2022年の資金決済に関する法律(以下「資金決済法」という)改正では、ステーブルコイン(電子決済手段等)の発行や流通に向けた環境整備も行われたところ、今後は民間発行のステーブルコインも日本において流通することが期待される。さらには、中央銀行が発行するデジタル通貨(以下「CBDC」という)への期待も高まっている。¶001