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事実の概要

(1)

全国農業協同組合連合会(以下「全農」という)は、農業協同組合(以下「単協」という)および単協が構成員となっている都道府県経済農業協同組合連合会(以下「経済連」という)のほぼすべてを会員とし、会員に対する青果物用段ボール箱(以下「青果箱」という)の供給その他の経済事業を行っている者である。我が国における青果箱の主要な供給経路は、段ボール箱製造業者から全農および経済連を経て、単協、出荷組合等の需要者(以下「需要者」という)に供給される経路(以下「系統ルート」という)と段ボール箱製造業者から直接に、または、農業用資材販売業者等を経て需要者に供給される経路(以下「系統外ルート」という)である。青果箱の供給数量全体に占める系統ルートによる供給数量の割合は、東日本で約6割、全国で約5割である。青果箱の製造業者は、1回当たりの取引数量が大きく、安定的需要が見込めること、代金回収が確実であること等から、全農との取引を強く望んでいる状況にある。全農は、それを製函することにより段ボール箱となる段ボールシートおよび段ボール箱を製造している者のうち、主要な者との間に「売買基本契約」を締結し、これらの者(以下「指定メーカー」という)から青果箱を購入している。また、全農は、青果箱の購入に際し、原則として、それを段ボール中芯原紙と貼り合わせることにより段ボールシートとなる段ボール原紙を段ボール原紙製造業者から購入し、指定メーカーに供給することとしている。全農は、青果箱を系統ルートにより供給するに当たり、指定メーカー別にそれぞれが製造した青果箱を納入する地域を指定することとしており、この地域をおおむね経済連の事業区域ごとに定め、これを「指定県」と称している。¶001