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事実の概要
(1)
本件は、新日本製鐵(以下「新日鐵」)と住友金属工業(以下「住友金属」)との合併(以下「本件合併」)について、当事会社による問題解消措置を前提とすれば、独禁法15条1項に違反しないと判断された事例である。¶001
(2)
本件合併については、2011年5月31日、当事会社から、独禁法15条2項の規定による合併計画の届出書が提出され、第1次審査が進められた結果、より詳細な審査が必要であると認められたことから、同年6月30日、当事会社に対して報告等を求め、第2次審査が開始された。公正取引委員会(以下「公取委」)は、当事会社から提出された意見や資料、需要者等に対するヒアリングやアンケート調査の結果、一般から寄せられた情報等を踏まえた検討結果に基づき第2次審査を進め、「無方向性電磁鋼板」および「高圧ガス導管エンジニアリング業務」について、本件合併が競争を実質的に制限するおそれがある旨指摘した。これに対応して、当事会社から具体的な問題解消措置の申出が行われた。結局公取委は、当事会社が申し出た問題解消措置を前提とすれば、独禁法上の問題は生じないと判断し、同年12月14日、当事会社に対して、排除措置命令を行わない旨が通知された。¶002