事実の概要
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滋賀県生コンクリート工業組合(以下「滋賀生コン工組」という)は、滋賀県内の生コンクリートの製造業者を組合員として、中小企業団体の組織に関する法律に基づいて設立された商工組合である。組合員は、平成5年9月30日現在37名で、これらの組合員の生コン販売量の合計は、滋賀県での生コンの総販売量の大部分を占めていた。滋賀生コン工組の全組合員は、滋賀県内において中小企業等協同組合法に基づいて設立された大津、湖東、湖北の各生コンクリート協同組合(これら3協同組合を、以下「生コン協組」という)のいずれかに属し、滋賀生コン工組の役員のほとんどが生コン協組の役員を兼ねており、生コン協組が実施している生コンの共同販売事業について、滋賀生コン工組が指導、調整を行うなど、滋賀生コン工組と生コン協組は密接な関係にある。生コン協組は、滋賀生コン工組の指導、調整のもとに、組合員の製造する生コンの全量について共販事業を実施し、それぞれ、滋賀県南西部、湖東または滋賀県北部の各生コンクリート販売協同組合(以下、これらを「卸協組」という)を通じて滋賀県建設業協同組合(以下「建設協組」という)に販売量の半ばを供給しており、建設協組の組合員である建設業者は、建設協組を通じて生コンを共同購入していたが、生コン協組は、卸協組および建設協組との間での申合せにより、建設協組の組合員に販売する場合には、割戻しと称して、事実上の値引きを行い、組合員以外の一般建設業者に対して販売する場合とで差を設けていた。¶001