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近年、タイにおいては裁判外の調停制度の整備が司法裁判所を中心に進められてきた。今ではほぼすべての裁判所に(裁判官ではない)調停人の名簿が用意され、当事者は訴訟の代わりに調停手続を利用することが可能である。これに加えて裁判所の負担軽減や予算節約を目的に、調停を裁判所以外の機関に拡大する「2019年紛争調停法」(2019年5月22日公布)が制定され、調停実施機関の整備が進んでいる。調停は、民事および刑事の紛争解決のため、紛争を裁定することなく、平和的な手続により、当事者に交渉と合意をなす機会を提供するものと定義される(3条)。なお、他の法律にもとづく調停等の手続には影響しない(4条)。¶001