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Ⅰ 人口減少・高齢化の現状と本稿の問題意識
2024年6月に厚生労働省が公表した人口動態統計1)によれば、2023年に生まれた日本人の子ども(出生数)は72万7277人、1人の女性が生涯に産む見込みの子どもの数(合計特殊出生率)は1.20となり、いずれも過去最低の数字であった。一方、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という)が2023(令和5)年4月に公表した「日本の将来推計人口(令和5年推計)」(出生中位・死亡中位)2)によると、日本の総人口は、2020年時点の1億2615万人から、2070年には8700万人にまで減少するという。そして、総人口に占める65歳以上の人口(高齢化率)は、2020年の28.6%から2070年には38.7%へと上昇するという。¶001