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 事実の概要 

Y(被告・被控訴人=控訴人・上告人)と無期労働契約を締結し、正職員として自動車教習所の教習指導員の業務に従事していたXら(原告・控訴人=被控訴人・被上告人)は、定年退職後、高年法所定の継続雇用制度に基づいて、Yと有期労働契約(期間1年間)を締結し、嘱託職員として再雇用された。Xらは、再雇用後も教習指導員の業務に従事していたが、嘱託職員の基本給・賞与(嘱託一時金)と正職員のそれとの間には相違があった。Yでは、正職員の基本給・賞与は就業規則等において定められる一方、嘱託職員の基本給・嘱託一時金は嘱託規程および有期労働契約中で定められていたところ、Xらの基本給(月額)は、定年退職時には16万~18万円程度であったのに対し、再雇用後は7万円程度(最初1年間は8万円程度)であった。また、Xらの定年退職前3年間の1回当たりの賞与の平均額は、22万~23万円程度であったのに対し、再雇用後の1回当たりの嘱託一時金の額は、7万~10万円程度であった。なお、Xらは再雇用後、老齢厚生年金および高年齢雇用継続基本給付金を受給した。¶001