FONT SIZE
S
M
L
事実の概要
本件は、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(昭和37年東京都条例103号。以下「本件条例」という)5条1項3号に規定する「人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であって、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること」(以下「卑わいな言動」という)に当たるか否かが争われた事案である。原審の認定事実によれば、被告人は、東京都内の店舗において、①A(膝上丈のスカートを着用)の背後付近で、Aが前かがみになるなどした際、Aおよび周囲の人に気付かれないように、左手で本件カメラを覆い隠すように持って、その録画ボタンを約23秒間押しつつ、左手を下げ、このうち約5秒間、Aの臀部付近の高さから、本件カメラのレンズをAの下半身に向け、Aのスカートを着用した臀部等を動画で撮影し、②その直後、引き続き録画ボタンの上に親指を置いて本件カメラを持ったまま、左膝を少し曲げて左肩等の左半身を下げるような体勢で、Aの左後方に近付き、Aが前かがみになった際、至近距離のAのスカートの裾付近の高さから、左手をAの方向に差し出し、本件カメラのレンズをAの下半身に向けて構えたところで、Aが被告人に対して「撮ってましたよね」などと声をかけたとされる。¶001