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事実

Ⅰ 概要

本件は、ベンカン機工、古林工業及び淡路マテリアの3社による炭素鋼製突合せ溶接式管継手(以下「管継手」という)販売価格のカルテル事件である。3社のうち、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けたのは管継手を製造販売する古林工業と、管継手を輸入販売する淡路マテリア(実質元売り事業者)の2社のみであり、ベンカン機工は課徴金減免申請により処分を免れた。¶001

本件違反行為の対象とされた管継手は、比較的取引量が多いFSGP及びPT370と称される種類のうち、3社の何れもが価格表に建値を掲載し、一次問屋に直接又は商社を通じて供給していたものである(以下「特定管継手」という)。その販売価格について、3社は適用する建値と掛率を一次問屋と交渉して決定の上、建値に掛率を乗じる方法により定め、自らの販売価格としていた。¶002