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複合契約とは、二又はそれ以上の者の間で複数の契約が結ばれ併存する取引と定義される概念である。同概念をめぐっては、形式上独立した構成契約が単一の取引を達成するとの目的のもとに密接に関連し依存する点を考慮して、これらに一体的な影響関係を認めうるかが問題となる(ⅰ頁)。本書は複合契約論の第一人者である著者が、フランス法を参照しつつ、特に消滅局面での影響関係の法理構築を試みた研究書である。具体的には、一方契約の債務不履行解除(第一部)ないし公序良俗違反無効(第二部)による他方契約の消滅如何、そして第三者与信型消費者信用取引における既払金返還の問題(第三部)が検討されている。¶001