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刑訴法312条は、訴因の変更と並んで、罰条の変更についても規定している。本件では、起訴状に記載されていない罰条を適用する場合について、罰条変更の要否が問題となった。
被告人は、数名と共同してA、B、C、Dの4名に対し暴行を加え、B、C、Dの3名に傷害を負わせたとの事実につき、罪名・罰条として、「傷害、暴行 刑法第204条、第208条、第60条」と記載された起訴状により起訴された。第1審は、ほぼ上記のとおりの事実を認定しつつ、刑法204条(傷害)、60条のみを適用して被告人を有罪としたが、控訴審は、量刑不当により第1審判決を破棄したうえ、Aに対する暴力行為等処罰法1条(共同暴行)の罪も成立しているとして、罰条変更の手続を経ることなく、同法条をも適用して自判した。最高裁は、法令適用に関する控訴審の判断を是認したうえ、罰条変更の要否につき、次のように判示した。
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