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事実

亡A(訴外)は、Y1社(被告・控訴人)に雇用され、同社の経営するレストラン(以下「本件店舗」という)において調理を担当する板前として勤務していた。亡Aは、かつて亡B(訴外。平成31年死亡)が経営していた会社(以下「本件別会社」という)に雇用されていたが、本件別会社での勤務を経て、亡Bからの誘いを受けて本件店舗において業務に従事していた。¶001

Y1社は、飲食店の経営等を目的として平成25年7月に設立された株式会社であり、本件別会社が運営していた回転寿司店を閉店させ、同年8月に同店の建物を利用して新たに本件店舗の運営をすることとし、そのために設立された。Y1社の設立に際して、亡B自身は役員には就任せず、本件別会社が経営するレストラン(以下「本件別店舗」という)において板前として勤務していたY2(被告・控訴人)を同社の代表取締役とする登記手続をするとともに、亡Bの妻であるC(訴外)の姉D(訴外)をY1社の取締役とする登記手続をした。Y2は名義貸与の依頼を了承し、Y1社の役員になるのかもしれないと認識し、印鑑登録証を亡Bに渡したこともあった。なお、Y2およびDにY1社の経営への関与、あるいは同社からの役員報酬は一切なかった。そのため、Y1社において、亡Bが実質的な経営者の立場にあり、CがY1社の売上管理等の経理業務を担当していた。¶002