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事実の概要
⑴ 内国法人であるX(原告・控訴人)は、有価証券の保有、運用および投資、企業経営および財務のコンサルティング等を目的として、昭和61年に設立された資本金1000万円の株式会社である。Xは、平成23年6月30日から同年7月4日までの間、個人Pから年利14.5%で合計164億円の借入れ(以下「本件借入れ」)を行い、これに係る支払利子を損金算入して、平成23年11月期および平成24年11月期に係る法人税の確定申告をした。これに対し税務署長甲は、Pがシンガポールに住所地を移転し平成23年7月5日以降非居住者となったため、Xがその事業活動に必要とされる資金の相当部分を非居住者であるPからの借入れにより調達していることから、PはXの事業の方針の全部または一部につき実質的に決定できる関係にあり「国外支配株主等」に該当し、租税特別措置法(平成24年法律16号による改正前のもの、以下「措置法」)66条の5に定める過少資本税制が適用されるとして、上記支払利子の一部(合計約14億6250万円)を損金不算入とする処分(以下「本件処分」)を行った。本件は、Pは「国外支配株主等」に該当しないとして、Xが本件処分の取消しを求めた事案である。¶001