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事実

Y1(被告・被控訴人)の子会社であり、そのグループ企業であるY2(被告・被控訴人)は、本件特許1及び2(以下、これらを併せて「本件各特許」という)に係る本件特許権1及び2(以下、これらを併せて「本件各特許権」という)を有している。Y1は、平成23年7月19日、Y医薬品の製造、販売を開始し、その後、Y医薬品の効能・効果を追加した。X(原告・控訴人)は、令和4年2月25日、厚生労働大臣に対し、Y医薬品の後発医薬品として、X医薬品の製造販売についての承認の申請をし、現在、X医薬品の製造販売を予定して開発を進めており、製造販売についての承認の申請及びGMP(Good Man­ufacturing Practice)適合性検査の申請のためのX医薬品の製造を行っている。平成21年6月5日医政経発第0605001号、薬食審査発第0605014号各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医政局経済課長及び厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「医療用後発医薬品の薬事法上の承認審査及び薬価収載に係る医薬品特許の取扱いについて」(以下「二課長通知」という)は、医療用後発医薬品の承認審査に係る特許情報について、医薬品の安定供給を図る観点から、承認審査の中で、先発医薬品と後発医薬品との特許抵触の有無について確認を行っているところ、「①後発医薬品の承認審査に当たっては、㋐先発医薬品の有効成分に特許が存在することによって、当該有効成分の製造そのものができない場合には、後発医薬品を承認しないこと、㋑〔略〕、②後発医薬品の薬価基準収載に当たり、特許に関する懸念がある品目については、従来、平成21年1月15日付け医政経発第0115001号により、事前に当事者間で調整を行い、安定供給が可能と思われる品目についてのみ収載手続をとるよう求めているとおりとすること」、としている。Xが、Y1、Y2に対し、主位的に、①Y2がXに対してX医薬品の生産、譲渡等について本件各特許権に基づく差止請求権(以下「本件差止請求権」という)を有しないことの確認、②Y1、Y2がXに対してX医薬品の生産、譲渡等について本件各特許権の侵害に基づく損害賠償請求権(以下「本件損害賠償請求権」という)を有しないことの確認を求め、予備的に、①X医薬品が薬価基準に収載された場合、Y2がXに対して本件差止請求権を有しないことの確認、及びY1、Y2がXに対し、X医薬品が薬価基準に収載された場合、本件損害賠償請求権を有しないことの確認(予備的請求1)を、②XとY1、Y2の間において、X医薬品が本件各特許の特許請求の範囲の各請求項に係る各発明(以下「本件各発明」という)の技術的範囲に属しないことの確認(予備的請求2)を求めたところ、原審(東京地判令和4・8・30令和3年(ワ)第13905号)は、Xの上記各訴えをいずれも却下した。これに対し、Xが控訴したのが本件である。¶001