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事実
Ⅰ 事案の概要
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本件は、株式会社であるX(債権者・抗告人・抗告人)所有の不動産について、Xの破産手続終了後、Y(債務者・相手方・相手方)を根抵当権者とする根抵当権(以下「本件根抵当権」という)の実行としての競売の開始決定がされたところ、Xが、Xを債務者とする本件根抵当権の被担保債権(以下「本件被担保債権」という)が時効によって消滅したことにより本件根抵当権は消滅したと主張して、(特別代理人の選任を経た上で)Yに対し、上記競売手続の停止及び本件根抵当権の実行禁止の仮処分命令の申立て(以下「本件申立て」という)をした事案である。上記破産手続において、Xの破産管財人(以下「本件破産管財人」という)は、Yに対して本件被担保債権が存在する旨の認識の表示をしていたことから、上記認識の表示が本件被担保債権についての債務の承認(民法〔平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ〕147条3号)としてその消滅時効を中断する効力を有するか否かが争われた。¶001