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 事実の概要 

Xは、自身の所有する不動産(以下、「本件不動産」とする)に、YのXに対する貸付債権(以下、「本件貸付債権」とする)を被担保債権とする根抵当権を設定していた(以下、「本件根抵当権」とする)。¶001

Xは2016年7月、債権者の申立てに基づく破産手続開始決定を受け(以下、「本件破産手続」とする)、Aが破産管財人に選任された。この開始決定に際しては、債権届出期間を定めない方式が取られた。¶002

Aは、本件不動産の任意売却のためにYと本件不動産の受戻しについて交渉をしたが、任意売却の見込みが立たなかったことから、Yに対し、本件不動産を破産財団から放棄する旨、事前に(破規56条後段参照)、および裁判所による放棄の許可(破78条2項12号)を受けた後(2017年2月28日付)、2度に渡って通知をした。Aは、上記交渉および各通知において、本件貸付債権が存在する旨の認識をYに対して表示していた(以下、「本件表示」とする)。¶003