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Ⅰ はじめに

1 背景

2023年5月の段階でカーボンニュートラル(CN)目標を表明する国・地域のGDP総計は世界全体の約94%に達したといわれる。多くの国が2050年CNを目指す中で、わが国もG7各国とともに脱炭素電源への転換を推進しなければならない。¶001

そうした中、国際社会においてエネルギーに関する様々な動きが生じている。特に、ロシアによるウクライナ侵略に伴い、エネルギー途絶の可能性に直面し、化石エネルギーへの過度の依存がリスクとなることが明らかになった。わが国にとっては、化石燃料の輸入は、原油価格の高騰と円安傾向が相俟って、貿易収支に多大な悪影響を与えている。¶002