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Ⅰ ADR関係3法(仲裁法、ADR法、調停条約実施法)改正の背景

仲裁手続及び民間事業者による和解仲介手続はともに裁判手続とは独立した紛争解決手続であり、両者を包括して広義の裁判外紛争解決手続(ADR)とも呼ばれる(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律〔以下、「ADR法」という〕1条。狭義のADRは、和解仲介手続すなわち調停手続を指すことが多い)。これらの手続は、迅速性(仲裁では一審性)、非公開性のほか、合意に基づき当該紛争に適合的な手続1)を提供でき(紛争即応性、柔軟性、専門性)、とくに国際的な紛争では国際裁判管轄の所在で争うことなく紛争解決を図ることができる点に大きなメリットがある。またADRは「法による」紛争解決の手段であり(同法3条1項)、仲裁法では仲裁判断につき準拠法の定めがあり(36条)、ADR法では手続実施者(調停人)が弁護士でない場合に弁護士助言措置を義務づける等により、紛争解決が合意の真意性に基づき広い意味で法によることを予定している2)(6条5号)。¶001