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「日本には宇宙ビジネスを扱う法曹実務家(Space Lawyer)がいなくて国益を損なうレベルだ」と留学先の米国で聞き、評者が宇宙ビジネスを専門にしようと決めたちょうど10年前の2013年当時、Amazonに「宇宙法」と入れて書籍を検索すると、出てくるのは宗教関連の本しかなかった。この度、現役の外務省欧州局参事官を務める著者が、「本書は学術書でありつつも、執筆時には、そのような実務者としての視点を常に意識していた。つまり、本書によって、これから宇宙法の規範作りに関わる方々や、ある規範の存在や成立見通しを考慮しながらビジネスをする方々に少しでも役立ちたいというのが、筆者の願いである」と書かれて本書を上梓されたことには隔世の感がある。そして、本書は実に上記の目的をよく達成している。¶001