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Ⅰ はじめに

最近の地政学的な対立により、米国を中心に安全保障を理由とする通商・ビジネス規制が強化されており、それらの中には特定の企業や団体(以下、「特定企業等」ともいう)との取引を実質的に禁止する規制も含まれている。また、安全保障の概念も、従来の軍事的なものから、先端技術分野における優位性の確保や人権保障、サイバーセキュリティ等も含むように拡大して用いられている。¶001

このような安全保障を理由とする通商・ビジネス規制は、相手国による対抗立法を招くことがある。その結果、第三国の企業は、ある国の規制を遵守すると取引先の国の法令に違反するといった「板挟み」となる状況が生じ得る。¶002