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事実
Ⅰ
本件は、交通事故によって受傷したX(原告・被控訴人・被上告人)が、加害車両を被保険自動車とする自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という)の保険会社であるY(被告・控訴人・上告人)に対し、自動車損害賠償保障法(以下「自賠法」という)16条1項の規定による請求権(以下「直接請求権」という)に基づき、保険金額120万円の限度における損害賠償額からYのXに対する既払金を控除した残額(103万円余)の支払を求める事案である。Xは上記事故による傷害につき労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という)に基づく給付(以下「労災保険給付」という)を受けており、Yは、Xが上記労災保険給付を受けたことにより国に移転した直接請求権の行使を受け、国に対して103万円余を支払っている。¶001