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ドイツ連邦議会(法定定数598)の選挙制度は、人物選択と結び付いた比例代表選挙(現連邦選挙法〔以下条文は同様〕1条1項)という小選挙区比例代表併用制を採用するものとして著名である。近年、連邦議会の最終的な議席数は、2013年連邦議会選では631、2017年連邦議会選では709、2021年連邦議会選では736に増大した。その原因はまず超過議席という仕組みにある。超過議席とは、第2票(政党候補者名簿への投票)に基づき各政党に配分された議席数を超えて第1票(小選挙区候補者への投票)の当選者が生じた場合、小選挙区の当選者を全員議員とするものである。しかし超過議席により、「負の投票価値」(政党の得票数は増えたのに議席数が減る、あるいはその逆)や、第2票による各政党への議席の比例配分の割合と各政党の最終的な議席数の割合とが乖離する問題が生じた。連邦憲法裁判所の2度の違憲判決を経て、超過議席の分も含め第2票での各政党の得票割合を維持するために議席を各党に追加配分する調整議席という仕組みが2013年連邦議会選から設けられた。この調整議席により、超過議席という仕組みを残しつつ第2票による各政党の得票割合に応じた議席数の配分を行うことが可能になったが、調整議席は最終的な議席数を大幅に増加させた(超過議席と調整議席の詳細につき、小林宇宙「超過議席と選挙の平等」一橋法学20巻3号〔2021年〕1489頁参照)。¶001