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早春のパリ、凱旋門にほど近く、シックな店舗が立ち並ぶフォブール・サントノレ通りは、異臭を発する黒いごみ袋やコンテナで歩道の幅が狭まり、まさに「ゴミ回廊」の有様であった。年金改革法案の国会審議が佳境を迎える中、ごみ収集職員がストライキを続けていたためである。「ゴミ回廊」は日本のメディア好きのする話題だったと思うが、こうした社会保障関連の法改正が、大きな抵抗なく実行される日本の読者からすれば、なぜそこまでフランス人が怒るのかはよく分からないかもしれない。¶001