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本書は、同じ著者による、2005年に出された体系書である『保険法』の、実質的な改訂版である。前著が出されたのは保険法制定前であり、保険法を踏まえた改訂が長らく待たれていたところ、(上)(下)として出されたものである。しかも、この時期になったことで、債権法改正をも踏まえた内容となっており、その点でも意義深い。¶001

本書は問題点をほぼ網羅的に取り上げ、裁判例、実務の動向、関係法令等を広く取り上げる点において圧倒的な情報量であるとともに、多岐にわたる問題につき、著者の見解が濃淡はあれ広く示されており、実務にも研究者にも非常に有益なものとなっている。以下では、数ある論点の中からいくつかを取り上げる。¶002