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大学で商法を教えるB教授の研究室における会話(A:弁護士、B:会社法研究者1)¶001

A:先生、お久しぶりです。今度、株式買取請求事件を担当することになりまして、アドバイスをいただけないかと思ってお伺いしました。昨年、私たちのクライアントY社がP社を吸収合併しました。9月1日に合併計画公表、10月1日に両社の株主総会で合併契約承認、11月1日に効力発生という流れです。10月25日にP社株主の海外ファンドXが株式買取請求をしてきました。Xは、本件合併は企業価値を損なうとして「ナカリセバ価格」による買取りを求めています。P社の株価は、合併計画公表前日の 8月31日の終値は12021円、それ以前1カ月の平均株価は約12000円でしたが、9月1日の終値は11200円、その後下がり続け、P社株式の最終売買日(上場廃止前日)である10月20日の終値は8500円でした。Xは、12000円での買取りを請求しています。¶002