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事実の概要
Z社(補助参加人)はわが国有数のハウスメーカーであり、単体売上高が1兆円を超え、従業員数も1万4000人を超える株式会社である。Z社では組織的な事務分掌の定めや役職を置いて業務を分担させ、権限を委譲し、具体的な事務内容や拠るべき手続についても定めていた。代表取締役Y1(被告)は、Z社の最高執行責任者として各部門の業務を総合運営し、業務執行全般を指導統制していた。Z社の内規によれば、10億円以上の不動産購入取引については、本社の経営企画部、法務部および経理財務部が審議の上、100億円未満の分譲用土地の購入は取締役を回議者とする社長決裁事項、100億円以上の分譲用土地の購入は取締役会付議事項とされていた。Z社においてY1に判断を求めるのは、経営全体を統括する立場からの検討であり、個別の契約内容を具体的に点検することを求めていたわけではなかった。¶001