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事実

内国法人である X(原告・被控訴人=附帯控訴人)は、炭化ケイ素を原料とするセラミックス製ディーゼル車用微粒子除去フィルター(「本件製品」)の製造に関する無形資産を有していたところ、ポーランド共和国に設立した間接子会社であるB社に上記無形資産の使用を許諾し(「本件取引」)、これにより、B社は欧州において本件製品の製造及び販売を行った。本件製品はディーゼル車に対する欧州排ガス規制を遵守するために不可欠な製品であるところ、B社は、同規制の厳格化に先立つ平成15年に設立され、本件製品の量産を可能にするための設備投資(「本件設備投資」)を行ったものであり、その後の本件製品の需要の急増とともにB社の売上高も急伸した。Xは、本件取引の対価の額(「本件対価額」)を益金に算入して平成19年3月期から平成22年3月期までの各事業年度に係る法人税の確定申告を行ったところ、税務署長から本件対価額が独立企業間価格に満たないことを理由とする更正処分等を受けたため、その取消しを求めて争ったのが本事案である。¶001