FONT SIZE
S
M
L

事実

不動産事業を営むB社(以下「本件会社」という)は平成30年6月5日付け懲戒解雇通知書を本件会社の労働者だったX(審査請求人)に送付した。Xは同通知書による解雇を争う訴訟をC地裁に提起し、当該訴訟において、令和3年2月15日、Xが労働契約上の権利を有する地位にあることが確認され、本件会社が賃金等を支払うように命じる判決が下された。なお、本件会社の株式は親会社のD社がすべて保有していたが、D社は不動産事業からの撤退により、令和2年5月19日、本件会社の取締役に本件会社の株式すべてを譲渡していた。その後、Xは、令和3年2月26日、退職日を同月15日として、立替払事業に係る「賃金の支払の確保等に関する法律」(以下「賃確法」という)7条にいう「その他政令で定める事由」及び賃確法施行令(以下「賃確令」という)2条1項4号に基づく「事業主(賃確法7条の事業主をいう。ただし、賃確令2条2項の中小企業事業主であるものに限る。)が事業活動に著しい支障を生じたことにより労働者に賃金を支払うことができない状態として厚生労働省令で定める状態になったこと」について、A労働基準監督署長(処分庁)の認定を申請した。しかし、処分庁は、同年5月26日、当該申請書が賃確法施行規則(以下「賃確則」という)9条4項の定める「退職の日の翌日から起算して6月以内」に提出されていないことを理由として不認定処分を行った。当該不認定処分に対し、Xが厚生労働大臣(審査庁)に本件審査請求を行った。¶001