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Ⅰ 問題の所在

いわゆる「デジタル遺品」とは、インターネット上のアカウントやオンライン/オフラインで保存されたデータなど、デジタル技術の利用によって初めて価値の生ずる「財産」1)であり、保有者の死亡によりその法的処遇が問題となるものである2)。現代社会において我々個人はデジタルなものに取り囲まれ、死亡時に多くの「デジタル遺品」を残すこともめずらしくない。そこで、このような「デジタル遺品」が相続法上どのように規律されるべきかを論ずることが喫緊の課題となっている3)¶001