2023年4月、本稿の掲載誌が世に出る数カ月後には、令和3(2021)年に成立した「民法等の一部を改正する法律」と「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が相次いで施行される。

明治29年の制定以来となる民法物権編の実質的改正や相続登記・住所等変更登記の申請義務化等、これらの法改正(以下「令和3年法改正」)の影響は広範囲に及ぶことが予想され、それゆえ、それに先立って出版された本書の『土地法制の改革』という題名から施行目前の改正法の解説に特化した内容を想起して本書を手にする方は多いはずだ。令和3年法改正の要綱案を取りまとめた法制審議会民法・不動産登記法部会(以下「法制審部会」)において部会長を務められた、という著者のバックグラウンドもそのような想像を後押しする。