Ⅰ はじめに

現在すすめられている動産・債権担保の立法については、幾多の法制審議会における議論を経て、次第にその方向性が明らかになりつつあるが、なおさまざまな見解の相違・分岐を残している。新たな担保立法は、これまでの譲渡担保や所有権留保の判例法理のうち、何を維持し、何を変えようとしているのか、そして、既存の担保法制とどのような関係にあり、どのような波及効果をもたらしうるのか。本稿では、法制審議会担保法制部会の第3読会までの議論状況をふまえ、また、動産担保に考察対象を限定したうえで、新たな担保法制のめざす方向性を展望したい。