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Ⅰ はじめに

台湾における同性カップルに関する法的処遇については、2000年代以降に著しい発展がみられた。特に、立法を推進した3つの事件、すなわち、2017年の憲法解釈、2018年の国民投票と2019年の「司法院釈字第748号解釈施行法」の立法(以下、「施行法」と略称)は、2010年代後半に立て続けに生じた。施行法は、同性カップルに結婚登記の権利を付与し、婚姻の効果も一定程度与えた。ところが、同法の法的効果には、異性婚と違いがみられ、その位置付けと性質にも曖昧さが残されている。¶001