Ⅰ はじめに

令和4年6月13日、第208回国会(通常国会)において、「刑法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第67号。以下「刑法等一部改正法」という)及び「刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律」(令和4年法律第68号)が成立し、同月17日、公布された。

これらの法律(以下併せて「改正法」という)は、大きく2つの内容から成る。すなわち、

  • 安全・安心な社会を実現するためには、罪を犯した者について、その特性に応じたきめ細やかな指導・支援を行うことができるようにするなど、その改善更生・再犯防止に向けた処遇の充実をさらに推進することが必要であることに鑑み、刑法、刑事訴訟法、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(以下「刑事収容施設法」という)、更生保護法その他の法律を改正して、施設内・社会内処遇の充実化のための法整備を行うとともに、
  • 近時の人の名誉を害する行為の実情等に鑑み、侮辱罪について、厳正に対処すべき犯罪であるという法的評価を示し、これを抑止するとともに、当罰性の高い悪質な侮辱行為への厳正な対処を可能とするため、刑法を改正して、侮辱罪の法定刑を引き上げる

というものである。

本稿では、拘禁刑の創設と犯罪者処遇の新展開という特集に鑑み、改正法のうち、施設内・社会内処遇の充実化のための法整備部分に関する成立経緯、概要及び刑法等一部改正法の附則(施行期日)を紹介する。なお、本稿中意見にわたる部分は、もとより私見である。