Ⅰ はじめに

2022(令和4)年6月13日、「刑法等の一部を改正する法律」が国会において可決成立した(令和4年法律第67号)1)。本法がもたらす様々な改正のうち、従来の刑事法の根幹に関わるものは、刑種としての懲役と禁錮を廃止し、これらに代替するものとして「拘禁刑」という名称の自由刑2)を創設し3)、それにともなう処遇内容を刑法典に明記したことである(なお、この点の改正については、公布の日〔令和4年6月17日〕から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日における施行が予定されている〔本法附則1項柱書〕)。現行刑法の12条2項は、「懲役は、刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる。」と定め、同法13条2項は、「禁錮は、刑事施設に拘置する。」と定めているが、これに対し、今回の改正法は、拘禁刑という新刑種を創設し、改正後の刑法の新12条2項において「拘禁刑は、刑事施設に拘置する。」と規定し、同条3項において「拘禁刑に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」と規定することとした。これにより、自由刑が単一化されるとともに(たしかに、短期の自由刑である拘留は残されるが、今回の改正により、新16条2項として「拘留に処せられた者には、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、又は必要な指導を行うことができる。」とする規定が追加され、刑罰内容は拘禁刑と統一化された)、従来とは異なり、「作業」が刑罰の必要的な内容ではなくなり、それは「指導」と並ぶ、受刑者の改善更生のためのものであることが法律上、明確化されたことになる4)