FONT SIZE
S
M
L

CASE

メーカーXは、新型工作機に関する発明(部品を含む)の特許出願をし、後日特許(本z特許)が登録された。

他方、Xは、本特許登録前に、メーカーYに対し、その通常実施権を許諾した場合、関連するデータや特許出願中の部品を有償提供する旨案内したところ、Yはこれに応じた。そこで、下記条項を内容とする契約(本契約)が締結され、YはXより、その新型工作機の販売開始後約5年間、本技術情報の提供を受けた。

その後、特許期間(20年間)が満了し、本特許の特許権(本特許権)は消滅した。Yは本契約が特許ライセンス契約であるため、本特許権消滅によりランニングロイヤルティの支払義務も消滅したと考えていた。他方、Xは本契約がノウハウライセンス契約であり、Yの支払義務は、本特許権消滅後も継続すると考えている。いずれの考えが適切か。また、契約文言の工夫はできるか。本特許の無効審決確定の場合はどうか。

第1条(定義)

① 「許諾製品」とは●をいう。

② 「本技術情報」とはXが本契約締結時において所有し、かつ許諾製品の設計・製造に必要と考える技術資料及びデータをいい、●を含む。

第2条(実施許諾)

(1) XはYに対し、本契約の期間中、本技術情報に基づき許諾製品を製造、販売する非独占的実施権を許諾する。

(2) Yは、上記実施許諾に基づき許諾製品を製造する場合、品質確保のため、指定部品(Xが特許出願中のものに限る。)をXが供給又は指定する者より購入し、許諾製品の製造のために使用する。

第3条(技術援助等)

Xは、本契約締結日より3か月以内に、本技術情報をYに開示及び提供する。

第4条(対価)

YはXに対し、第2条の実施許諾及び第3条の技術援助等の対価として次の各対価を支払う。

① イニシャルフィー:100万円

② ランニングロイヤルティ:許諾製品の販売価格の3%相当額

第5条(特許権の実施許諾)

XはYに対し、本契約の期間中にXが取得する許諾製品に関する特許権等につき通常実施権(出願中の場合は非独占的実施権)を許諾する。

¶001