本書には、長年、米国を中心に、広い視野から競争法研究を牽引してきたDavid J. Gerber教授の研究内容と経験値が凝縮されている。ここで広い視野というのには、2つの意味がある。第1に、グローバルという意味での地理的な広がりであり、第2には、歴史的観点という時間軸の広がりである。それぞれがGerber教授のこれまでの研究内容に呼応している(訳者解題参照)。本書を手にすると、とりわけ第3部・第4部から、前者にはすぐ気付かされるが、本書の記述の端々に歴史的理解が埋め込まれており、それが本書の説得性を増している点も見逃すべきではない。